2008〜2009シーズン

2008〜2009 SEASON 

16 志賀高原7/2日目

体験記その2(2日目)


↑良い雪質の中滑走する妻

↑長女

↑筆者

↑長男

↑奥志賀高原ホテルで休憩

↑はちみつトーストを前に嬉しそうな顔の長男

↑パンが口に入ると満面の笑み
 二日目も朝から天候は雪。・・・というか風も強く、吹雪の状態だ。焼額山に向かうシャトルバスの中から「本日のゴンドラは全て運休。これ以上吹雪けばリフトも止まるかも知れません」とのアナウンスがあった。一本目は奥志賀ゴンドラに乗って頂上から滑る予定だったが、ゴンドラが動いていないので下部の緩斜面を滑る事にした。バスを降りるとすごい強風だ。リフトも風のため速度を落としたり、止まったりしながら進んでいた。奥志賀の下部にいつもショートポールが張ってあるのだが、悪天候のためだろう、全て抜いてゲレンデ横に刺してあった。今回ポールバーンが豊富な事が志賀高原を計画した理由の一つだったが残念だ。

 リフトを降り、一本目は妻を伴っていたので迂回コースをゆっくりと降りた。ところが、途中吹雪がひどくなってきて筆者は前の状態が確認できなくなり、ヘアピンカーブになっているコースの端から下のコースへ足を踏み外した。これだけなら2mほどの急斜面を落ちて下のコースへ移動できたのだが、落下する時にその勢いで緩めであったゴーグルが下がって帽子と共に筆者の眼を塞いだ。突然目の前が真っ暗になり、足元の状況もつかめない中で何かに引っかかって転倒をした。

 帽子を外して周りの状況を確認してみると、崖っぷちに山足一本で網に引っかかっている自分の姿があった。谷足は完全に宙ぶらりんの状態で、網が外れたら体は崖の下までまっ逆さまだ。谷足で踏ん張って上に上がろうとしたが、ほぼ垂直に近い斜面なので、足をかける所もない。妻が慌ててストックを前に出し、助けようとする。しかし、体重の重い筆者が下手に引っ張って上から妻が落ちてきたら共倒れだ。家族は安全な場所に移動させて、誰かが来るのを待った。そこへタイミング良く子どもを指導していたコーチらしい女性の姿が。「すみません。引っ張り上げてくれませんか?」女性に救出を頼むのは恥ずかしかったが、この際そんな事は言っていられない。コーチは足場をきっちりつくってストックを差し出した。少しずつ腰を上に上げて何とか窮地を脱することができた。

 危機一髪だった。身体を支えていた網は小さなもので、あれが外れれば谷底に転落する所だったし、最初に落ちた時に網に引っかかってくれたから良かったようなものの、そのまま網を乗り越えて下まで突っ込んでいてもおかしくはなかった。筆者はこれまでにも何度か危険な経験をした事があるが、今回は新雪で林に突っ込んだ時に次ぐ危ない状況だった。妻によれば、筆者の姿は救出されるまで悲愴感極まりない様子だったという。しかし、確かに不安ではあったが、状況をきちんと読む位の心の余裕はあった。そんな顔に見えたという事は、よほどの優越感を持ってこの状況を眺めていたと見える。

 その後はコース端の状態に気を配りながら、第一コースまで出た。この日は吹雪だったが、気温は低かったので雪は非常に軽くていい状態だった。結晶の形をした新雪が絶えず斜面に供給され、ソフトな感触の滑走を楽しむことができた。妻も初心者コースで自信をつけたようで、時々子ども達を追い抜く姿も見受けられた。が、さすがに気温が低かったのでコースを二本滑るともう限界だ。奥志賀高原ホテルのロビーに入る。

 ここには大きな暖炉と手作りのケーキがあって落ち着ける雰囲気がある。暖炉でウェアを乾かし、チーズケーキと温かい飲み物で体を温めた。長男の注文した蜂蜜トーストはパンの生地と焼き具合が絶妙で、トッピングのハーゲンダッツバニラも蜂蜜の濃厚な味とよく合っていた。巨大なトーストがテーブルにきた時の長男の表情は本当にうれしそうだった。ホテルで妻が休憩を取っている間、子どもと三人でエキスパートコースに出る。最大斜度30度の急斜面にコブができていたが、新雪で斜面が軟らかいのでスムーズに降りる事ができた。特に長女は気に入ってもう一度入りたいと言っていたが、時間も昼前になっていたのでバスで焼額山方面に移動した。

 プリンスホテルで昼食を取り、ホテル前のイーストコースに移動。ここも普段はロングポールが立っていてフリーで練習ができるのだが、この日は強風のため設置されていなかった。このコースも初級コースで斜面変化もあり、全員が気持ちよく滑走する事ができた。筆者も前日の滑走で右膝が痛くなっていたので、斜度がちょうど良いゲレンデだった。

 昼からは風も弱まり、ゴンドラも動き出したので最後に頂上まで行く事に。トップからの中級斜面もそれほど急傾斜ではなく、快調に下まで降りる事ができた。今回志賀高原の美しい景色を楽しむ事ができなかったのは残念だったが、スキー自体はいい雪面状態の中でのんびりと休暇を楽しむ事ができた。やはりここ志賀高原は徳島からは遠いものの、時間をかけてきただけの価値のある場所だ。これからも毎年1回位は来たいものだ。